古代人は結びで所有権の表示や目印・合図として使っていました。
王朝貴族達は、硯箱や鏡などの調度品にはすべて美しい房と花結びで彩られました。
貴族の女性達の一般教養として、和歌、文章、習字、絵画、音楽と並ぶ必須のものでした。
武家社会になると鎧や兜に総角結びや大総角が結ばれました。
さらに、能や狂言、いけばな、香、茶の湯の隆盛と相互して実用と装飾を兼ねた多種多様な結びが考案されました。
一本の紐が作りあげる四季折々の花結びには、こうした日本の伝統が息づいています。
仕服結び

花結びの代表的な結び方で五弁の梅の花を形どっています。

今では桜というと染井吉野が代表的ですが、古来より日本人の心をとらえてきたのは山桜です。

垂れ下がる長い花穂は、ひもの縒りがねじれないように気をつけながら結びます。

葉が掌状に分裂している。形がカエルの手に似ていることからカエデが和名の由来です。

外花三枚は大形で下垂し、内花三枚は小形で先がとがり直立している。

日本の代表的な花で、奈良時代初期に中国から渡来したとされています。
現代の結び
十二支やブローチ、アクセサリー、ブレスレット、イヤリング、ネックレス、額飾り、壁掛、バッグ、ベルトなど、現代の結びをご紹介いたします。

眼やひげ、角などは別紐を使っていますが、胴体はほとんど一本の紐で結んでいます。

◇ブレスレット 菊結び・淡路つなぎ・こま結び ◇イヤリング 菊結び・玉房結び、淡路結び・釈迦結び ◇髪留 淡路結びマット・菊結び

◇ブローチ 蝶(黄色)、蝉、とんぼ ◇髪留 蝶(黒・金)

淡路つなぎ、釈迦結び バッグの紐とベルトは同じ結びを使っています。

唐蝶結びと玉房結びをモチーフにしたもの